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軽井沢通信 vol.7 特集:自然と歴史に包まれた秋の軽井沢へ

軽井沢の森と水辺を歩こう 〜信濃路自然歩道、小瀬温泉、白糸の滝〜

「峰の茶屋」~旧軽井沢「旧三笠ホテル」へと抜ける有料道路「白糸ハイランドウェイ」に沿うようにある「信濃路自然歩道 浅間高原ルート」は、軽井沢の豊かな自然を満喫できるハイキングコース。「森と水の聖地」と名付けたいほど、周辺には美しい森林と清らかな水が満ち溢れています。

訪れたのは9月初旬。前日の雨で草木はたっぷりと潤い、水の流れは躍動的。地球のエネルギーと自然のみずみずしさにあふれた軽井沢の朝はなんと清々しいのでしょう。

スタートは軽井沢を代表する観光スポット「白糸の滝」。平日にもかかわらずたくさんの人がその自然美をカメラに収めています。

緩やかに湾曲した岸壁に幅70mにも及ぶ清冽な滝が横一列並んだ姿は、さながら無数の白糸を垂らしたかのような神秘的な美しさ。浅間山の湧水から噴出されるこの滝は、いわば地球のエネルギーに満ちあふれたパワースポットですね。天然のマイナスイオンに包まれ、澱みのない清らかな水辺を眺めているだけで、喧騒を忘れて心が安らぎます。

白糸の滝 信濃路自然歩道浅間高原ルート 遊歩道を散策

次は「白糸の滝」から「信濃路自然歩道」をおよそ4.5km先の「竜返しの滝」を目指して歩きます。緩やかな遊歩道なので鳥のさえずりや木々のそよぎをゆったりと感じながらの散策。看板を横目に、橋の手前を川に沿って歩き、巨岩の間をすり抜けたところに「竜返しの滝」が現れました。昔、竜ほどの大きな蛇が滝を渡りそびれ、深い滝壺にのまれてしまったとの由来からこの名が付いたそうです。高さ7m、幅2m、うっそうと茂る自然林から勢いよく流れ落ちる迫力ある滝。その神秘的なパワーに心が浄化されていくかのようです。

信濃路自然遊歩道 看板 遊歩道を散策 竜返しの滝

「竜返しの滝」からほど近く、ひっそりと佇む一軒宿が「小瀬温泉ホテル」。 明治9年(1876年)国有林の一部を借りて開業。静養、休養に向いたところとして明治時代より多くの人々に利用されてきました。当時、草津と軽井沢を結ぶ草軽電鉄の「小瀬温泉駅」(昭和37年廃線)を利用し、多くの文士や著名人がこの宿を訪れていたそうです。

周辺に民家やお店はありません。あるのは目の前の小瀬川と山の景色だけ。川のせせらぎ、野鳥のさえずり、温泉。静かに時を過ごしたい旅人にとってはやさしい宿ですね。 旧軽銀座から車でほんの10分で、豪華なホテルとはひと味ふた味違った「贅沢」があります。

小瀬温泉ホテル
【小瀬温泉ホテル】
長野県北佐久郡軽井沢町小瀬温泉 TEL.0267-42-3000 http://www.koseonsen.com/

もう一つおすすめしたいハイキングコースは、「星野温泉」から「小瀬温泉」へとつながる「小瀬林道」。車も人も少なく静寂な軽井沢の魅力を堪能できます。

ここはアカマツ、ブナ、ハルニレ、シラカバ、カエデ、モミなどの混交林となっており、日本でも有数の野鳥や小動物が多く見られる場所だそうです。 もちろんクマも。クマ鈴を持って歩きましょう。

 おだやかな自然と湯川からあふれ出るパワーに包まれながら、ゆったりと散策。軽井沢は、夏には夏の、秋には秋の、あふれるほどの魅力があります。紅葉の季節はすぐそこまできています…。

(文・宮沢三和)

小瀬林道

軽井沢で文学散歩はいかが?

軽井沢は自然とともに豊かな文化も育む場所です。明治以降、多くの文人が訪れ、交流し、ここを舞台とした数多くの作品を残しました。

「カインの末裔」「或る女」などの作品がある有島武郎は、初めて軽井沢に別荘を持った文人といわれていて、大正12年(1923年)、旧軽井沢の別荘・浄月庵で心中し、世を去りました。その場所には「有島武郎終焉の地」碑があります。別荘自体は塩沢湖近くの軽井沢高原文庫に移設され、公開されています。

「杏っ子」「あにいもうと」などで知られる作家・詩人の室生犀星は、大正9年(1920年)に初めて軽井沢を訪れ、つるや旅館に泊まり、芥川龍之介らと親交を深めます。昭和6年には別荘を構え、川端康成や志賀直哉らと交流したそうです。別荘は現在、室生犀星記念館として公開されています。

「風立ちぬ」「聖家族」の堀辰雄は19歳のとき、室生犀星に連れられて軽井沢にやってきます。その後、毎年のようにこの地を訪れ、軽井沢を舞台にした作品を数多く残しています。肺結核を患ったことから静養のために昭和19年から追分に定住し、昭和28年(1953年)にこの地で亡くなります。

大正、昭和の文人に愛された軽井沢。現在も小説家で軽井沢に住んでいたり、別荘を構えている人が多くいます。軽井沢の自然、風土は創作活動によい影響を与えるものなのかもしれません。

ほかにも、文人ゆかりの建造物や文学碑がたくさんありますから、それらを巡って、文学の香りを満喫するのはいかがでしょうか。

■堀辰雄文学記念館 ■室生犀星記念館 ■軽井沢高原文庫

※各施設ともに開館時間、閉館日は変更される場合があります。

軽井沢の食材 軽井沢甘なんばん

「軽井沢甘なんばん」(写真右側)は唐辛子やピーマンの仲間です。唐辛子の「唐」は外国のことを指していて、南蛮辛子とも言い、そこから唐辛子の類を「なんばん」と言うようになりました。

この軽井沢甘なんばん、ししとうにしては大きいな、と思ったら、京野菜の万願寺とうがらしと伏見とうがらしの交配種だそうです。その名前のとおり甘みがあり、辛さはないので、そのままでもおいしくいただけます。

サラダにしてもいいですし、ちりめんじゃこと炒め煮にすればご飯のお供に、焼いて醤油をかければお酒の肴にぴったりです。写真左は「辛なんばん」。強い刺激がお好みの方はどうぞ。

軽井沢甘なんばん