登山家やスキーヤーは別として、『冬の蓼科高原は、オフシーズン』だと思い込んでいる人って、結構多いのではないでしょうか?
雪に覆われた森を見ると、どうしても『寒い、辛い、寂しい』と感じてしまい、ついつい足が遠のくもの。
しかしながら幻想的な雪景色や荘厳な山岳風景など、冬ならではの魅力がたくさんあります。
食わず嫌い!?を脱却していただくため、気軽に冬山の魅力を堪能できるスノーシューハイキングを紹介しましょう。

北八ヶ岳ロープウェイの恩恵
登山経験がほとんどなく本格的な登山道具がなくても、雪山の魅力を味わえる場所として今回選んだのは『北八ヶ岳ロープウェイ』。標高2,237mの山頂駅までロープウェイで一気に上れるので、深い雪をかき分けたり、凍りついた急斜面をよじ登ったりすることなく、標高2,000mオーバーの雲上の世界へ行くことができる。しかも冬期間スキー場として運営される『ピラタス蓼科スノーリゾート』では、ウェア、グラブをはじめ、スノーシューを借りることができるので、手ぶらでスノーシュートレッキングが楽しめる。

グッズ&ウェアをレンタルショップで借り身支度を整え、山麓駅から100人乗りロープウェイで標高2,200m超の高山地帯まで空中散歩。蓼科高原は冬の晴天率が高く、取材当日も、雲海の向こうに北アルプスや中央アルプスの白く輝く山並を望むことができた。間近に迫る蓼科山や、東に連なる八ヶ岳連峰の白い稜線に見とれているうちに、頂上駅に到着。ロープウェイを降りると、そこは一面銀世界。空の青と雪の白以外の色が存在しない。下の山麓駅からわずか7分で異空間に来てしまった。

スノーシューは日本のカンジキのようなもので、登山靴に装着するだけで土の上を普通に歩いている感覚で雪上を歩き回ることができる。フワフワの深雪の上をパフッパフッと軽やかに歩く心地よさ、なんだか歩いているだけでウキウキしてくる。今シーズンは雪に恵まれ坪庭周辺も抜群のコンディション。雪質もサラサラのパウダースノーなので軽くてとても歩きやすい。これなら足も疲れにくそうだ。

今回のスノーシュートレッキングのコースは、樹氷の森の中を歩いて縞枯山荘周辺の森を散策するお手軽なもの。視界が広く開放的な雪原をしばらく歩いて行くと「縞枯山荘」の前に出た。八ヶ岳のように冬も人気のある山は、通年営業している山小屋が多い。疲れた時には、温かい部屋で休憩することができるので安心だ。「縞枯山荘」の周囲には、樹氷が林立する針葉樹林帯が広がり、クリスマスツリーが何十本も立っているようなメルヘンチックな風景だ。

白い森のレストラン
まるで絵本に出てくるような白い森の風景をさらに堪能するため、ランチを雪の中で楽しむことにした。メニューは身体をほっと温めるチーズフォンデュ。座りやすいフラットな場所を見つけ、ガスストーブを置き、アルミのコッヘル鍋をセット。予め細かく刻みこんできたチーズ・小麦粉・牛乳を鍋に入れ、強火で掻き混ぜながらチーズを溶かす。チーズの甘酸っぱいやわらかな香りが漂いはじめたら、そろそろ食べ頃。

パン、ジャガイモ、バナナ、ソーセージなどなど。好みの食材を串に刺し、チーズをからめて口の中へ。まろやかで甘酸っぱいチーズの芳香が口中に広がる。チーズフォンデュは、スイスの郷土料理だけあって雪山がとてもよく似合う。料理の締めくくりはワイルドな厚切りベーコン。ほとばしる肉汁が食欲をさらにそそる。

澄み渡る青空、純白の雪原、樹氷、霧氷、ダイヤモンドダストなど、冬の蓼科高原には、冬にしか出会えない自然の風景が目白押し。安全な初心者向けのコースでスノーシュートレッキングを体験すれば、寒い!辛い!寂しい!という雪山の先入観は消えるはず。雪山に憧れていたものの、初心者には到底無理と諦めていた方は、ぜひ一度スノーシューをお試しいただきたい。






