廃線ハイキング〜遊歩道「アプトの道」をたどる〜
国道18号碓氷バイパスを東へ向かい、峠からつづら折りの道を下ることおよそ20分。軽井沢はかなり雲行きが怪しかったが、峠を下ると、なんと晴天!
あちこちで梅がほころび、峠越えとともに季節も越えてしまった、群馬県安中市松井田町。峠路の自然と歴史をたどる「アプトの道」とその周辺の廃線ハイキングを紹介します。
かつての信越本線「横川〜軽井沢」間が平成9年9月30日をもって廃止となってから、その路線の一部が遊歩道「アプトの道」として整備されています。
その起点となるのが「横川駅」隣にある「碓氷峠鉄道文化むら」。芸術的なレンガ造りアーチ橋で名高い、碓氷峠の「めがね橋」をモチーフにしたメインゲートが目を引く「碓氷峠鉄道文化むら」は、峠と鉄道の歴史を「見て、触れて、体験できる」をテーマに、平成11年(1999年)4月18日にオープン。廃線を歩く前に立ち寄るとさらに気分も高まるでしょう。


鉄道車両屋外展示場。多くの歴史的名車両に出会える。
峠の道探訪「アプトの道」
遊歩道「アプトの道周辺一日コース」午前9時出発!
起点の「碓氷峠鉄道文化むら」をスタートして間もなく、かつて往来を繰り返していたまっすぐな路線が目に飛び込みます。上り路線はいま歩いている遊歩道、下り路線は「碓氷峠鉄道文化むら」〜「天然温泉峠の湯」を結ぶ片道2.6キロ間にトロッコ列車を運行させ、峠路に再び汽笛を響かせています。
廃線という物悲しさを感じながらも、こうして形を変え、たくさんの人々に親しまれていることに、少し救われる気がします。線路の頭上には上信越自動車道の巨大な橋梁。新旧の道がリアルに交差する風景が、その歴史と時代の流れを物語ります。
と、そのとき、トロッコ列車「シェルパくん」が汽笛を鳴らして登場! 乗客に手を振ると、ちびっ子や大人たちが手を振り返してくれました。
1.6キロ(徒歩約12分)地点で見えてきたのが、赤レンガの建物「旧丸山変電所」。碓氷峠を行き来する列車に電力を供給するため、明治44年に建てられた機械室棟と蓄電池棟は国の重要文化財。トロッコ電車の停車駅です。
そこからさらに1キロ進むと「天然温泉峠の湯」に到着。和風露天風呂と洋風露天風呂を備え、湯につかりながら裏妙義の景観や碓氷峠の風情を堪能できます。
帰り道に立ち寄る楽しみを残し、ひとまず通過。アプトの道をさらに進みます。
「1号・2号トンネル」を越えた左手に「碓氷湖」が広がります。湖の散策は1周(1.2キロ)約25分ほど。春のうららかな風を受け、気分も爽快です。紅葉の季節もまたきれいでしょうね。

国の重要文化財

「碓氷峠鉄道文化むら駅」から乗車。乗車定員は110名。
先頭車両はオープンデッキで眺めも最高。

川面に四季折々の大自然を映す。
「碓氷湖」から1キロ先の「めがね橋」が、ハイキングのハイライト。
ゆるい上り坂の「第3、第4トンネル」をそれぞれ通過し、トンネル内の暗くひんやりとした空気に身を包まれて、ちょっと身震いし…。
そのトンネルを抜けたとき、サルを発見! 木の上にサルがちょこんと座り、その後ろからちびザルが1匹、2匹、違う場所でもサルがガサゴソ現れ、その後ろからまた1匹、2匹、サルが走る走る。ちょっとしたサル山の風景を楽しみました。もちろん餌をやることは厳禁です!

めがね橋を模したアーチがお出迎え。

通称「めがね橋」。アプト式の歴史を物語る。
さあ、「第5トンネル」を抜けると、「碓氷第3橋梁」(通称:めがね橋)に到着。遊歩道の折り返しポイントです。めがね橋は高い芸術性で多くの人を魅了するレンガ造りの4連アーチ式鉄道橋。長さ91m、高さ31m、使われたレンガは200万個にも及ぶといいます。下から見上げると圧巻ですよ。
帰路は、めがね橋で折り返し、さっき通過した「天然温泉峠の湯」に立ち寄りました。ハイキングの疲れをのんびりと癒やし、峠路の歴史に思いをはせながら、至福の温泉タイム。温泉の後はのんびりとお昼をいただきました。
「アプトの道」は片道約1時間半。見どころも多く、誰でも気軽に歩けるコースです。トロッコ列車と遊歩道を組み合わせた探訪プランもおすすめです。さわやかな春風を受け、峠路の自然と歴史をたどってみませんか。
(文・宮沢三和)
【碓氷峠鉄道文化むら】
群馬県安中市松井田町横川407-16
TEL.027-380-4163(代)
https://www.usuitouge.com/bunkamura/










