ゆるウォーキング ~小泉山(上古田口)~
気候がよくなり、安定した天気が続くようになりました。
そろそろ今年の山ウォーキング活動を始めようと、冬の間に石のように固まった体を起こして
まずは慣れ親しんだ小泉山(こずみやま)へ出かけることにしました。
小泉山は登山口が9箇所あり、どの登山口もわかりやすく看板が出ていて
車を停められる場所も多くあり、茅野市の本気を感じます。
いつもはグリーンライン沿いの粟沢口から登り始めるのですが、
今年は違う登山口にも挑戦してみようと思い立ち、小泉大橋近くの
「下古田口(しもふったぐち)」へ行ってみました。


川のほとりから小泉大橋ごしに山を見上げると、見慣れた里山が大きく見えます。
これは登山道が長そう・・・と、やる気がみなぎった状態で川を渡る小橋まで来ると、

・・・なんと、封鎖されていました・・・
落石の恐れがあるとのことで、この日はこちらからの入山はできませんでした。
近々行かれる方はご注意ください。
気を取り直して、火とぼしの道を上り、
川の上流の方にある「上古田口(かみふったぐち)」に向かいました。

看板の脇の細い道を入り、上古田公民館の駐車場に車を停めます。
公民館前の道を横断して川岸に下り、小さな橋を渡ると登山スタートです。


登り始めから、ボケやヤマエンゴサクなどの花が目に入り和みます。


山道は緩やかな登りから始まり、徐々に傾斜が大きくなっていきますが

粟沢口の3合目付近の木の根が階段状になった急登を思うと、
歩幅を合わせずに歩けるだけ登りやすい感じがありました。


ゆっくり登りながら、道の脇に目を凝らして
ヒトリシズカやタチツボスミレを見つけます。
石のように固まった上に豆腐のような筋力しかない体は
写真を撮るためにかがみこむと、立ち上がるのに強固な意志の力が必要でした。
また一から地道に体力づくりをしようと心に誓います。
しばらく歩くと、金毘羅様が祀られた小さな祠があり、
北八ヶ岳方面に視界が開けた場所に出ました。


蓼科山や北横岳がよく見え、眼下には登り始めた公民館の辺りも見下ろせて
ちょっとした達成感があります。
しばらく休憩して歩き出すと、その先で道が突如、険しくなりました。
掴まって登る用のロープが張ってあるということは、急登のしるし・・・

ロープに掴まるほどではありませんでしたが、止まっているのか進んでいるのか
判別できないくらいの速度しか出せず、すれ違う人に苦笑されながら登りました。
目を上げると、行く先に空が見え、光が差しています。
ああ、もうすぐ、頂上に着く・・・!

と思いきや、たどり着いたのは

「 中 段 」(!)
崩れ落ちるかと思いました。
ちなみに、この「中段」は、上古田に伝承される男の子の行事「火とぼし」で
豊作や疫病除けなどを願い木の枝で作った”小屋”に火をともす場所だそうです。
絶望したのも束の間、そこから先は10分もかからずに、

もう一度、光の差す道を既視感を感じながら通って山頂に着きました。

頂上にも火とぼしの場所があります。

午後の遅い時間でしたが、雲はほとんど出ておらず
雪がほとんど解けた八ヶ岳がはっきり見えました。
霞の先に富士山も見えます。


昨年、どこに登っても遠くの山が何も見えなかったのが嘘のようです。
今年のゆるウォーキングは順調な予感がします。
この後、また小さな植物を見ながら下山しましたが、
あんなに撮影や休憩や牛歩を繰り返したにも関わらず
往復で1時間を切りました。
登り口が高めのところにあることと、ピークに近い側から登るためか
道のりが短い感じがします。
次はまた、別の登山口から挑戦してみようと思います。