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NEW Report.05│蓼科高原三井の森 F山荘

楽しさが楽しさを広げる“リフォーム発展進行形”

建物付の仲介物件を購入し、ライフスタイルに合わせてリフォームするケースが増えている。
2度にわたる大規模リフォームを実施し、平成3年築の建物を理想の別荘へと発展させたF山荘。
もっと楽しく、心地よく、自由な発想で大胆にスケールアップした建築事例を紹介しよう。

利用者のニーズに応え、リビングルームを拡大

 ご家族はもちろん、友人や会社のスタッフも利用することを前提に3LDKの中古別荘を購入したFさん。構造躯体はしっかりしており内外装の傷みも少なかったが、夏の利用を目的とした建物だったため断熱性 能が低かった。そこで購入と同時に「床下断熱」「パネルヒーター」等を導入し、冬の居住性を向上させた。
 F山荘を利用した人は、誰もが“豊かな自然、清々しい蓼科高原の空気、都会の喧噪とは無縁の静けさ” の虜となり、利用希望者が増え当初の3LDK の間取りでは手狭になってしまったという。

 そこで1年後、収容人数を約10名から25名に向上させるため、リビングルーム及び2階ホールの面積を約2倍に拡大する増築を実施。元々あったリビングルームを南側へ拡張するため、梁、天井、壁の接合部を違和感なく溶け込ませる必要があった。仕上げ工事に細心の注意を払い、新築当初からこのような部屋だったと思わせる一体感のある空間を創出した。

 炉台に天然石、壁に石積みを施した薪ストーブをリビングルーム増築部に設け、山荘ムードを演出。西側には大人数でバーベキューが楽しめる広々としたサンデッキを新設した。変わりやすい山の天気に対応するため大きな屋根を備えている。食事やティータイム、スタッフのミーティングの場としても好評で、高原の爽やかな風に包まれ会話が弾むそうだ。

 2階ホールの増築部もリビングルームと同じく既存建物と一体化させ、宿泊人数の自由度を持たせるために寝具は移動可能なマットや布団を用意している。
 キッチンには、みんなで料理がつくれるようにアイランドキッチンを増設。2つのシンクと調理台が、ホームパーティーを楽しく美味しく盛り上げるという。

リフォームの可能性に挑んだ大浴場

 大人数が宿泊するようになると既存の浴室では役不足で、別荘地近隣の公営温泉に足を運んでいたのだが、不便さは否めなかった。そこでFさんは、スペースに余裕のある北サイドに複数の利用者がゆったりと入浴できるバスルームの増築を検討することにした。

 リゾートホテルや温泉旅館の浴室をリサーチしながらアイデアを練り、最初のリフォームから5年後に増築工事を実施。露天風呂のような開放感が味わえる広大なピクチャーウィンドウ、大人3人が手足を伸ばしゆったりとくつろげる浴槽、身も心もほぐれるジャグジー、3人分の洗い場など、戸建て別荘とは思えない大浴場が完成した。

 モダンで落ち着きのある壁面のタイルや石貼り、浴槽外周のヒノキに調和するよう木目調タイルを用いた床部、サッと汗を流せる爽快なシャワーコーナー、森の清涼感に包まれてクールダウンできる湯涼みテラスなど、随所にFさんの意向が反映されている。周囲に保存緑地が広がる敷地の特徴を活かし、開放感とプライバシーを両立している。
 大浴場増築後、お風呂目当ての利用者も増え、なかには1時間近く長湯を楽しむ人もいるという。

 脱衣室は、広さはもちろん高級旅館のようにシンプルかつ上品。洗面室には、大理石調カウンター、タッチレスの水栓、LED照明など、落ち着きのなかにも先進性を感じさせる最新設備を採用。名だたるリゾートホテルや温泉旅館をリサーチし、磨き上げたF さんのセンスが惜しむことなく投入されている。

別荘の顔となる庭周りを、美しく華やかに一新

 また増築部だけでなく、庭周りも元の姿が想像できないほど手を加えている。利用者増に伴い、複数のクルマが駐車できるスペースを確保するため、敷地内に生い茂っていた樹木を伐採。砕石を敷き詰めた通路と駐車場を新たに整備した。
 来訪者を出迎えるアプローチは、機能性だけでなくデザインも熟慮され、自然石をアプローチ沿いに積み重厚感を演出している。

 敷地内に林立していたカラマツなどの高木は間伐し、陽当たりを改善。モミジやツツジ、サクラなど彩りが美しい樹木を新たに植え、四季を感じられる広葉樹で構成された雑木林を目指している。

 訪れた人すべてを高原別荘の魅力に引き込む利用者ファーストの住空間、到着したその瞬間から心が華やぐ庭周り。F山荘は、実際に別荘ライフを過ごしながら、「あったらいいな」「こうすればもっと良くなる」 と感じたこと、頭に浮かんだアイデアを、妥協することなく実現している。
 別荘ライフの楽しみ方は無限大、これからもまだまだ進化を遂げていくにちがいない。

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