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軽井沢通信 vol.3 特集 別荘達人に聞く「軽井沢は冬がいい」須藤慎一さん

軽井沢の「ガラスの家」

避暑地として絶大な人気を誇る軽井沢。しかし近年、定住する人が増えているそうです。軽井沢の冬の魅力はどこにあるのでしょうか。
また、通年暮らすために気をつけなければいけないことは?
12年前から軽井沢に移り住み、そのときから一年を通して暮らしているテクニカルライターの須藤慎一さんにお話を伺いました。

軽井沢の澄んだ空気にも負けない、まさにガラスの家
軽井沢の澄んだ空気にも負けない、まさにガラスの家。

旧軽井沢の別荘地の一角に須藤さんのお宅はあります。
その外観はすべてペアガラスで覆われていてインパクト満点。
映画やドラマの撮影にも使われたことがあるというのもうなづけます。
ただ、これだと冬は寒くないのか、いや、夏は暑くて大変ではないのか、と心配になりますが、
「夏は周りの樹木の葉が天然のブラインドになってくれます」(須藤さん)。
周囲はカラマツやクリなどの林。その木々の葉が落ちる秋から冬は、太陽の光が差し込み、
窓辺はぽかぽかと暖か、というわけですね。

そして窓、というか壁面からよく見えるのが浅間山。その威容がくっきりと見てとれます。
「軽井沢は冬がいいんです。この澄み切った空気。夜は星空がとてもきれいですよ」(須藤さん)。
ぴんと張り詰めた、透明感あふれる空気は冬の軽井沢ならではのものに違いありません。

しかしながら、真冬はまれに最低気温が-18℃くらいになることもあるといいますから、晴れた昼間はともかく、朝晩や日が陰ったときの冷え込みは大変厳しいものがあります。そのため、太陽熱を利用したパッシブソーラー温風暖房システム、石油ファンヒーターなどの暖房設備も使用しています。「朝晩は冷え込むので、7〜8月以外はコタツなど何らかの暖房器具が必要ですから、光熱費はかかりますね」(須藤さん)。

夏には大活躍しそうな広いウッドデッキ。建物自体が緩やかな曲線を描いていることがよくわかる
夏には大活躍しそうな広いウッドデッキ。
建物自体が緩やかな曲線を描いていることがよくわかる。
木々の間に浮かんでいるようなガラスの家のエントランスは2階。
木々の間に浮かんでいるようなガラスの家の
エントランスは2階。
軽井沢の澄んだ空気にも負けない、まさにガラスの家
軽井沢の澄んだ空気にも負けない、まさにガラスの家。

軽井沢暮らしは「とても快適」

須藤慎一さん
須藤慎一さん(http://www.quixotia.com/
コンピュータや通信分野のテクニカルライター、事業プランナー。12年前から軽井沢をベースとしてSOHOを実践している。「パソコン通信」の名称を作った人のひとりでもある。

須藤さんはコンピューターや通信分野のライター・プランナーとして活躍されていて、12年前に軽井沢に移り住んでから、週に1〜2日、東京へと通う生活を続けています。

「ガラスの家」と呼ばれるこのお宅を、須藤さんは夏場の別荘として使う予定でした。
しかし冬の軽井沢も満喫しようと建築中に通年で住まうことに変更。
「建築家の方は、あわてて冬の日射量などから室内の温度をシュミレーションしていました(笑)。
しかし、設計の変更はほとんどありませんでした」(須藤さん)。

普段の生活もとても快適とおっしゃいます。
「温泉も魅力ですね。すぐ近くに星野温泉がありますし、周辺にも、塩壷、千ヶ滝、足を伸ばせば妙義、荒船、春日などたくさんあります。家の湯船に浸かるより温泉に行くことのほうが多いくらいです」。
日常生活に必要なものも軽井沢駅周辺、あるいは車で30分ほどのところにある佐久市街地へ行けば事足りるとのこと。

エントランスから続く2階の廊下も強化ガラス。慣れるまでは不思議な感じがする。
エントランスから続く2階の廊下も強化ガラス。
慣れるまでは不思議な感じがする。
壁面はすべてガラス。室内には光が降り注ぎ、暖かい空間になる。
壁面はすべてガラス。室内には光が降り注ぎ、暖かい空間になる。

別荘地生活の達人ともいえる須藤さんは、「候補地として日光や伊豆も見てきましたが、湿気や潮風で家が傷みやすいなと感じました。
軽井沢も場所によっては湿気があるようですが、ここはとても快適です」。通年暮らすときの注意点としては「別荘地によっては、夏場の使用しか想定していないところもあって、冬には水道を止めてしまうこともあります。私の場合も管理者が冬も住んでいることに気づいて止めないようにしてくれました(笑)」とおっしゃっています。

最近、朝、東京へ向かう新幹線軽井沢駅のホームが混雑してきているそうです。
一年を通して楽しめる軽井沢の魅力に気づいた人が増えてきているのかもしれません。

※須藤さんの建築物は三井の森が施工した物件ではありません。