中軽井沢の星野エリアに隣接する「国設 軽井沢野鳥の森」は100ha以上の広さを持つ国有林です。その名にふさわしく年間で80種類以上もの野鳥を確認でき、ほかにもツキノワグマやニホンカモシカ、ムササビ、昆虫、四季折々の草花など、たくさんの動植物がこの森の中で息づいています。
集合場所のピッキオビジターセンターから、野鳥の森に向かいます。ガイドしてくれるのはピッキオの柳原千穂さん。森へ向かう道路の脇に珍しい標識がありました。「ムササビ横断注意」。夜、木の天辺まで登ったムササビが滑空して道路を横断するそうです。見てみたいですね。
そして森の入り口でクマに関するレクチャーを受けます。この森に生息するクマはツキノワグマ。基本的に臆病な動物で、クマよけ鈴を身につけたりして音を出していれば安心です。万が一、出会いがしらに遭遇したときは、背中を見せずに(本能的に追ってくるため)ゆっくりと後ずさりして離れるのがいいそうです。
いよいよ森の中へ。取材したのはまだ夏の暑さの残る日でしたが、森の中に入ると少しひんやりしてきたような…。実際に森の外よりも2℃ほど気温が低いそうです。
柳原さんが道端に咲く黄色い花の説明をしてくれました。この花、キバナアキギリはただの花ではありません。マルハナバチというハチが蜜を求めて花の奥に行くと、上にある花びらから棒のようなおしべが降りてきて、ハチの背中に花粉をくっつけるのです。そうやってほかの花に花粉を運んでもらうんですね。すごい!
しばらく歩くと池が現れました。どんぐり池と呼ばれている湧き水が溜まった池です。池の中には素麺のようなものが動いています。これはハリガネムシ。カマキリなどの昆虫に寄生する寄生虫です。なんと昆虫を水際に行かせて、抜け出して池の中へ入り、繁殖するそうです。そしてタマゴがまた昆虫の中に入り…なんだか、怖いですね。
そのほか、池の中のオタマジャクシや「千と千尋の神隠し」の釜爺のような姿のザトウムシ、クマが木に登った爪痕、イノシシが地面を掘り返した跡など、見過ごしてしまいそうなところをガイドの柳原さんがわかりやすく説明してくれます。
もちろん鳥にも出会えます。ただ、秋は鳥の繁殖が終わり、静かな時期だそうです。5月ごろは恋の季節でにぎやかだとか。バードウオッチングのベストシーズンは木の葉が落ちて鳥が見やすくなる11月下旬〜5月にかけてだそうです。
森の中を2時間ほど歩いただけで、たくさんの生き物の姿を見ることができました。「動物たちのお家のなかに、私たちがお邪魔させてもらっているんですよ」という柳原さんの言葉が印象的です。クマやカモシカ、ムササビには出会いませんでしたが、あちこちで見られる木の実の殻や種、足跡や爪痕といった彼らの生活の痕跡が、姿は見えなくとも私たちとの距離の近さを物語っています。
昆虫や植物の身体の仕組みや繁殖の不思議、森の中に突然現れた湧水と生き物の不思議。トンボやオタマジャクシを虫眼鏡で覗いたり、ザトウムシをじっくり観察したり、大人になっても、こういうワクワクは消えないんですね。森林浴や紅葉狩りも楽しいですが、たくさんの生き物の営みこそが、森の魅力ではないかと思いました。皆さんもぜひ森の中の素晴らしさを体験してみてください。
【開催期間】毎日開催
【時間】10:00〜12:00、13:30〜15:30(午後の回は4〜11月のみ開催)
【料金】大人2000円、4歳〜小学生1000円。双眼鏡レンタル1台300円
【対象年齢】どなたでも(小学生以下は要保護者同伴)
【お申し込み】予約不要。出発30分前より先着順で受付。
※このほか「たき火カフェ」「空飛ぶムササビウオッチング」などのツアーがある。詳しくはピッキオのWebサイトで。
長野県北佐久郡軽井沢町星野 TEL.0267-45-7777
http://picchio.co.jp/
さわやかな秋晴れ。旧軽井沢銀座から旧碓氷峠遊歩道を通って熊野皇大神社までハイキングに行ってきました。
「熊野皇大神社」は標高1200mの碓氷峠に建つ古社。神社まではバスも出ていますが、軽井沢の美しい自然を満喫できる遊歩道があるとあれば、ウォーキングでしょう!歩いてこそ分かる、軽井沢の魅力です。
にぎやかな「旧軽井沢銀座」を通り抜け、「遊歩道入口」の看板から先は車の通らない小径。雑木林を沢に沿って進む途中、「この高さで足を滑らせたら一巻の終わりだ」とか、「クマが出たらどうしよう」という不安がよぎりますが、それを補ってあまりあるほど、軽井沢の自然は心を浄化するパワーがあります。
しかしここから山頂の見晴らし台までの道のりは意外にキツかった。片道1時間ほどのコースだろうと思いきや1時間半、緩やかなコースと思いきや勾配もあって結構しんどい。しかしその分、山頂に着いたときの喜びもひとしおというものです。
二つの県にまたがる見晴らし台に到着すると、妙高山などが見渡せる標高1200mからの眺めが疲れを忘れさせてくれます。多くの要人文人に愛されてきた絶景といわれるのも納得です。
見晴台からはすぐに神社に到着です。参道の階段を上ると、社殿が見えてきました。長野県と群馬県の県境に本宮の大屋根がまたがり、中央できっちり二つの県に分かれています。左の長野県側が「熊野皇大神社」、右の群馬県側が「熊野神社」。賽銭箱も二つあり、御祈祷・御守り・社務所も別になっているという大変珍しい神社なのです。
ふたつの県にまたがるという珍しさもあってか、不思議な存在感があります。一度に二つの神社にお参りすることもなんだか不思議な感じですが、御利益も倍になるといいな。
本宮に向かって左奥にある「科の木(しなのき)」は長野県の天然記念物に指定される樹齢850年の御神木。この木こそがパワースポット。「一回りすると一年寿命が延びる」「静かに願いを思い一回りすると願い事がまとまる」とも伝えられています。
由緒によると、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が濃霧で碓氷嶺山頂へ進めなくなったときに助けたてくれたのが一羽の八咫烏(ヤタガラス)。このことから八咫烏は日本武尊を導いた使いとして、ここに祭られています。
また、熊野皇大神社はサッカー日本代表チームを応援しています。言うまでもなく、日本サッカー協会のシンボルマーク「八咫烏」にちなみます。「必勝」のお守りとして私も購入しました。
神社の正面にあるのが「元祖名物ちから餅」の看板を掲げた「しげの屋」さん。“力餅を食べてパワースポットとのダブルパワー”とあれば、食べずに帰るわけにはいきません。創業300余年の老舗で、こちらも長野県と群馬県にまたがっていて、店内には県境があり、住所も二つという珍しいお店です。
私たち取材班一行は力餅(くるみ・きなこ・各450円)、力餅ソフト(バニラソフト&ごま・500円)を注文。ほどよい甘さと弾力のあるお餅はどれもおいしく、疲れも吹っ飛びました。2階テラスはまさに癒しの空間。お腹も心も満たされました。
その昔、碓氷峠を越える際にここで力餅を食べ、力を蓄えた人がたくさんいたのでしょう。
メニューの「おそば」がすごくおいしそうだったから、「次はおそばを食べに来よう」と誓いお店を後にしました。
パワースポットへの軽井沢ハイキング。太古から続く偉大なる自然を前にすると、気持ちが高ぶり神聖な気持ちになります。何を願い、誰を思うのか…。何に気づき、何を持ち返ることができただろう…。そんなことを考えながらの帰路、明日への活力が湧いてきたのが何よりの御利益でした。軽井沢、知れば知るほど大好きです。
住所:長野県北佐久郡軽井沢町峠町2 群馬県安中市松井町碓氷峠3 TEL:0267-42-5749
営業時間:4月〜11月8:00〜16:00、8月のみ8:00〜17:00 ※餅が無くなり次第閉店※年末年始は営業
定休日:不定休、冬季休業
軽井沢の別荘に住んでいる方はペットを飼っている方も多いようです。旧軽井沢銀座などで大型犬と一緒に歩いている方を見かけることも多いですしね。軽井沢はペット同伴で入れるお店も多く、ペットに優しい町といえそうです。今回はワンちゃんと一緒に楽しめるお店をご紹介します。
長野新幹線「軽井沢駅」から車で5分、上信越道「碓氷軽井沢IC」から10分、アウトレットモール、ホテル、レストランなどがひしめく南軽井沢。そこにぴったりと溶け込むカントリースタイルの白い建物が「ドッグガーデンリゾート軽井沢」。
ペット連れでも、オープンテラスのカフェ&レストランで本格的な料理を楽しむことができます。解放感のある44の内席と40のテラス席はすべて大型のワンちゃん同伴可能なゆったりスペース。寒い冬は暖炉のある店内で、暖かい季節は軽井沢の自然を満喫できるテラス席で、愛犬とゆったり過ごせるのは魅力的ですね。
一面にウッドチップが敷きつめられた「ドッグラン」や、ドッググッズやアイテムが豊富に揃う「DOG DEPT SHOP」でのお買い物など楽しさ満載。グルメもショッピングも、ペットと一緒なら2倍すてきな時間を過ごせそう。ワンちゃんのイベントも盛りだくさんです。要チェック!
☆ランチメニューの一例
「チーズハンバーグステーキ」(2000円)/「日替わりスペシャルランチ」(1900円〜)
※ランチメニューはサラダ・スープ・ドリンク付
☆ディナーメニューの一例
「ダッチオーブン煮込みチーズハンバーグ」(1900円)/「温玉とチーズをのせたダッチオーブンハヤシライス」(1300円)
☆ワンワンメニューの一例
「ササミのキャベツ添え」(Sサイズ・500円)ボイルしたささみとキャベツにオリジナルレバーソースをかけたヘルシーメニュー♪/「ワンフルパフェ」(Sサイズ・500円)・・・豆乳ソフトクリームとプチワッフルをサンド
※ワンワンメニューはすべて店内で調理。添加物は一切使っていません。
住所:軽井沢町南軽井沢1398-99 TEL:0267-48-3910 http://www.dogdept.com/
営業時間:【ショップ】11:00〜18:00(冬期)、10:00〜20:00(夏期)
【カフェ&レストラン】【ドッグラン】11:00〜19:00(冬期)、10:00〜20:00)(土日祝日・夏期)
定休日(冬期):10月→水曜日、11月・12月→火・水曜日、1月〜3月→火・水・木曜日
※年末年始は無休
※営業時間・休日はシーズン、およびイベントにより異なるので要問い合わせ
軽井沢の別荘に住んでいる方はペットを飼っている方も多いようです。旧軽井沢銀座などで大型犬と一緒に歩いている方を見かけることも多いですしね。軽井沢はペット同伴で入れるお店も多く、ペットに優しい町といえそうです。今回はワンちゃんと一緒に楽しめるお店をご紹介します。
軽井沢の喧騒から離れた追分の閑静な別荘地に佇む、御影用水近くの静かなカフェ。愛犬を連れた別荘客やリピーターらも立ち寄り、コーヒーを傍らに思い思いの時間を過ごしています。カフェだけどちゃんとランチも楽しめたり、カフェだけど和のメニューがそろうのがここの魅力。
厳選した農園の生豆からコーヒーの苦み、甘み、コクをバランス良くネルドリップで丁寧に抽出した「自家焙煎珈琲」を、まずはじっくりと味わいましょう。
厳選した農園の生豆からコーヒーの苦み、甘み、コクをバランス良くネルドリップで丁寧に抽出した「自家焙煎珈琲」を、まずはじっくりと味わいましょう。
大人気の「甘味セット」(850円)は、白玉クリームあんみつやわらびもちをコーヒー、紅茶と一緒に味わって。テラス席で静かな森の空気に包まれながらペットと過ごす時間は格別。ご主人さまの傍らで、ワンちゃんも一緒に和むカフェタイム。そこには穏やかで優しい空気がゆったりと流れています。
住所:軽井沢町追分89−2
TEL:0267-45-2275
営業時間:10:00〜18:00(LO)
定休日:月・第4日曜日
※営業時間・休日は季節により異なるので要問合せ
秋の味覚の王様、松茸。軽井沢から車で1時間ほどの上田市はアカマツ林が多く、松茸の産地として知られています。特に別所温泉、塩田地域は有名で、松茸料理を食べさせる「松茸小屋」がたくさんあります(収穫量によって外国産の松茸が使われることもあります)。キャンプや栗拾いなども楽しめる別所温泉森林公園の中にも直営の食堂があり、こちらでも松茸料理が味わえます。温泉と秋の味覚を同時に楽しむのもいいかもしれませんね。(別所温泉森林公園 TEL.0268-38-2626)