Vol.17
夏は、シードルで乾杯!
夏はビールがおいしい季節!しかし、ここ信州はりんごの産地。キリッと冷えたシードルの爽快感を、ぜひ味わっていただきたい。前号で醸造シーンを紹介した小諸・御牧ケ原の『ジオヒルズ・ワイナリー』にて、信州りんごで仕込んだシードルをクローズアップしてみた。
しなの鉄道「小諸」駅から約6㎞。『ジオヒルズ・ワイナリー』は、御牧ケ原の広大な農場を見晴らす高台にあり、眼前に360度の大パノラマが広がる。青空と緑の大地と雄大な山並みを一望できる夏の絶景は、格別だ。浅間山の雄大な稜線をバックに建つワイナリーは、1階が醸造所、2階がカフェになっている。
浅間山を背にして建つワイナリー
前回訪れた時、醸造責任者の富岡隼人さんがワイナリーで発酵の進み具合をチェックしていたジードルは、『ジオヒルズ・ワイナリー』の初リリース商品として続々と出荷されていた。紅玉リンゴを使用した「ホンゴックシードル」と、ふじリンゴを使用した「ふじ」の2種類で、どちらも伝統的なシャンパーニュ製法の瓶内二次発酵で醸造されている。
醸造責任者の富岡隼人さん
甘いりんごのニーズが高まる現在、酸味の強い紅玉リンゴは稀少な品種。しかし、しっかりとした酸味はパイやケーキの食材として欠かすことができないため、希少価値がさらに高まっているという。『ジオヒルズ・ワイナリー』では、上田市の農家が収穫した紅玉リンゴを分けてもらい、昨秋シードルを仕込んだ。
2階のカフェで「ホンゴックシードル」をグラスに注いでみると、瓶内二次発酵ならではのきめ細やかな泡の筋が立ちのぼる。酸味が爽やかな洗練された辛口で、後味がすっきりしているので、とても飲みやすい。
一方、国内で最もメジャーな品種であるふじリンゴを使った「ふじ」は、やわらかな口当たりの微発泡タイプ。甘い香りのふくよかな味わいの中に、ふじリンゴの風味が生きている。
カフェには、ワインやソフトドリンクをはじめ、パンとチーズの盛り合わせなどのメニューがあり、窓の外に広がる御牧ケ原のダイナミックな眺望を楽しみながら味わうことができる。晴れた日には丘を渡る風が心地良いテラス席がおすすめ。テラス席はペットの同伴もOK。愛犬と一緒にゆったりとくつろぐことができる。
金・土・日にはランチ営業もあり、そのメニューはちょっと個性的。チャーゾー(ベトナムの揚げ春巻き)、地鶏の塩麹焼き、有機野菜のサラダと漬物がのった「風の丘プレート」。オーガニック野菜を使用した「カパオ風信州牛のそぼろご飯」。お好みで信州味噌とハバネロを合わせた辛味ダレをかけて食べる「ジオヒルズ風フォー」など、信州の食材をベトナム料理風にアレンジしたオリジナルメニューが楽しめる。
風の丘プレート
カパオ風信州牛のそぼろご飯
ジオヒルズ風フォー
醸造責任者の富岡隼人さんは、ベトナムで日本語教師のボランティアに従事していた経験があり、創作メニューにもベトナム料理のテイストが活かされている。
『ジオヒルズ・ワイナリー』のジオも、風の吹く丘をモチーフにベトナム語のGió(風)と英語のHILLを加えてネーミングされたものだ。
そしていよいよ今夏、シードルに引き続き、小諸産のシャルドネとメルローを使ったワインが初登場。ワイナリーの周りに広がるブドウ畑を眺めながらいただく初ワインは格別なはずだ。
今シーズンは、信州の大地が育んだシードルとワインで喉を潤すおいしい夏を楽しみたい。
お問い合せ先
ジオヒルズワイナリー
※定休日:不定休のため、お越しの際は事前にお問い合わせ下さい。
〒384-0807長野県小諸市山浦富士見平5656
TEL.0267-48-6422
URL.http://giohills.jp/