軽井沢エリアの情報は数あれど、
何となくどれも似ていて新鮮味がないような…。
そんな印象をお持ちの皆様へ、ちょっとレアなレポートをお届けします。
紹介スポットは、軽井沢を拠点に“見る・味わう・楽しむ”をテーマに、佐久・小諸・追分・草津方面など広範囲からセレクト。
地域に根ざしたおすすめスポットを紹介します。
Vol.7
軽井沢発地市庭(ほっちいちば)で、高原野菜のルーツを満喫。
軽井沢は、明治の昔、外国人宣教師によって見いだされた別荘地として広く知られている。そして宣教師たちは別荘文化だけでなく、高原野菜の栽培法も伝承したことをご存じだろうか。当時、ヒエやアワなどの雑穀類を生産していた軽井沢の農家に、標高1,000m前後の清涼な気候風土にあったキャベツやハクサイなどの育て方を指導し、高冷地における野菜の栽培が始まったといわれている。

現在、軽井沢で生産されている野菜は、我が国初の高原野菜の歴史を受け継ぐもの。清涼な気候と霧が味わい深い野菜を生み出すことから、“軽井沢霧下野菜”の登録商標を取得し販売されている。
“軽井沢霧下野菜”は、一般的なブランド野菜と異なりスーパーやネット通販では買うことができず、これまで入手できたのは「JA佐久浅間軽井沢直売所」のみだったが、今年6月にグランドオープンした「軽井沢発地市庭(ほっちいちば)」でも購入できるようになった。

「軽井沢発地市庭」は、新鮮な地元野菜を広くアピールするために軽井沢町がアイスパーク近くにオープンした農産物直売施設。延床面積約2,000㎡にも及ぶ広大な建物内に、野菜、果物、加工品などが並ぶ売り場スペース、レストラン、そば打ち体験室、イベントスペースを併せ持っている。
開店時間の9時過ぎに行くと、広々とした吹抜空間の店内の棚に、畑から収穫してきたばかりの朝露したたる“軽井沢霧下野菜”が溢れんばかりに積み上げられている。

初秋となり、夏のピーク時ほどではないが店内は結構な賑わいぶりで、老若男女を問わず幅広い層がショッピングカートを押しながら色とりどりの野菜を品定めしている。山積みのキャベツやレタスが見る見るうちに減っていく様子は、痛快ですらある。
ちょうど売り場に生産農家の方がいたので“軽井沢霧下野菜”の魅力について聞いてみると、軽井沢特有の冷たい霧と昼夜の寒暖差が育む甘味と柔らかさが特徴で、特にキャベツは甘味はもちろん葉がしっかりしておりシャキッとした歯触りが格別だという。9月下旬まで収獲が続くトウモロコシはとても甘く、しっかりとした粒がギュウギュウに詰まり、かぶりつくと甘汁がほとばしるそうだ。

フルーツのようにカラフルなトマト。大小様々なカボチャやズッキーニ。イタリア野菜の白ナスやゼブラ。葉も食べられるベビーキャロット。バジル、ミント、大葉などのハーブ…。売り場を満たす、とれたてもぎたての野菜はどれも瑞々しく、価格も驚くほどリーズナブル。水洗い不要のサラダセットや、“アグリの台所”と名付けられたお総菜、弁当、サンドイッチなど、すぐに食べられるテイクアウトも充実している。
ご近所にお裾分けするのかキャベツを何個もまとめ買いする人や、メモを見ながら料理に必要な野菜を物色する若い女性、眼光鋭いプロの料理人など客層も幅広く、軽井沢らしい。

また「軽井沢発地市庭」は飲食店も充実しており、朝取り野菜や果物など新鮮な食材をふんだんに使った約25種類のメニューが満喫できるビュッフェスタイルのレストラン『大地の恵み』をはじめ、酵素玄米おにぎりと豆腐味噌汁のセットや新食感の飲むお豆腐など体に優しい自然派メニューを提供する『シロホタルキッチン』、自家製チーズを使用したピッツァ、パスタ、ソフトクリームなどが味わえる東御市のチーズ工房直営のカフェレストラン『アトリエ・ド・フロマージュ』が整い、地元食材を使った料理が楽しめる。

ブランド野菜“軽井沢霧下野菜”を中心に、新鮮な地元食材や特産品が勢揃いした「軽井沢発地市庭」は、まさに地産地消のテーマパーク。収穫の秋は食欲の秋!めぐる季節と共に軽井沢の旬を存分に堪能したい。

お問い合せ先
軽井沢発地市庭
住所:長野県北佐久郡軽井沢町大字発地2564-1
電話:0267-45-0037