WEBマガジン 月刊|軽井沢

軽井沢エリアの情報は数あれど、
何となくどれも似ていて新鮮味がないような…。
そんな印象をお持ちの皆様へ、ちょっとレアなレポートをお届けします。

紹介スポットは、軽井沢を拠点に“見る・味わう・楽しむ”をテーマに、
佐久・小諸・追分・草津方面など広範囲からセレクト。
地域に根ざしたおすすめスポットを紹介します。

Vol.8

プレミアムな軽井沢の夜は、プレミアムなビールで。

月刊軽井沢・バックナンバー 

 ビールは夏というイメージが強いが、味わい深いクラフトビールは“冬もうまい”。特に薪ストーブの炎を眺めながら味わう麦芽の豊潤な香りは格別だ。
 クラフトビールとはどんなビールなのか、ご存じの方も多いと思うが簡単に触れておこう。
 地方の小規模なブルワリー(醸造所)でブルワー(ビール職人)が厳選した最上級の原材料を使い丹精込めて造る高品質なビールで、クラフト=手工芸品に例えてクラフトビールと呼ばれている。ブルワリー独自のこだわりや少量生産ならではの多種多様な味のスタイルがビールファンに支持され、ここ数年、人気が高まった。

 現在、200社ほどのブルワリーが全国各地でそれぞれの特徴を活かしたビールを醸造しており、軽井沢には、地名をストレートに打ち出した『THE 軽井沢ビール』がある。軽井沢町内はもちろん、都心の酒販店やスーパーでも目にする機会が多い信州を代表するクラフトビールで、2014年には、長野県の優れたブランドに贈られる「信州ブランドアワード個別ブランド部門賞」を受賞している。

 軽井沢のスーパーで『THE 軽井沢ビール』のクリアを購入し飲んでみたところ、口当たりが優しくとても爽やか。すっきりとした味わいでごくごく飲める。90年代に流行った地ビールにありがちだった雑味や酵母臭さが全く無い。しかも、飲み口が軽いだけでなく麦芽のふくよかな旨味が口中に広がる。小さなブルワリーでありながら、これほど洗練された味を造り出しているとは驚いた。
 『THE 軽井沢ビール』を醸造している『軽井沢ブルワリー』に興味がわき、公式ホームページをチェックしてみたところ工場見学を積極的に受け付けている。見学料金は一人500円 (生ビール1杯と持ち帰り1本、もしくは持ち帰り2本の引換券付)とリーズナブルだ。早速、見学予約を入れ、浅間山を仰ぎ見る佐久市長土呂の工場へ向かった。

 黒い外壁にゴールドのロゴ。『軽井沢ブルワリー』の建物は、工場というよりもミュージアムのようなデザインで、広々としたエントランスホールでは世界的な日本画家・千住博画伯の作品『ウォーターフォール』が出迎えてくれる。
 受付を済ませ案内スタッフに導かれて工場内へ入ると、その美しく整然とした様子にびっくり。まるで博物館の展示室のようだ。
 最初に入った仕込み室では、深井戸から汲み上げた地下水で麦芽とホップを9時間から12時間かけて煮立てて麦汁を作っており、メタルに輝く最新鋭の設備からほんのり甘く芳ばしい香りが漂い、ビールを仕込んでいる臨場感が伝わってくる。

 『軽井沢ブルワリー』では、主原料として主にベース麦芽・カラメル麦芽・チョコレート麦芽を使用しており、工場内にサンプルが用意されていて口にすることができる。これを食べてみると、ポリポリと香ばしく、後を引くうまさ。ビールのつまみで出したらブレイクするのでは?
 この麦芽は、発芽させた大麦を乾燥させたもので、焙煎の度合いによって色と味の違いを出している。ベース麦芽は一般的なクリアなビール。カラメル麦芽は琥珀色のビール。チョコレート麦芽は黒ビールに使用される。

 麦汁をつくる仕込み工程を終えると発酵工程に入り、『軽井沢ブルワリー』では、10℃前後の低温で長時間発酵させるラガー系と、20℃前後の常温で発酵させるエール系の発酵スタイルで醸造している。6,000ℓと12,000ℓの発酵熟成タンクが整然と並ぶ様子は壮観だ。
 発酵熟成したビールは、酵母などを除去するため珪藻土と約30枚以上のフィルターできめ細かく濾過。缶、瓶、樽に充填し出荷される。

 仕込みから充填工程まで実際に目にした設備は、どれも最新鋭で大手メーカーに匹敵するもの。クラフトビールの工場というと手作りの酒蔵的なイメージを抱いていたが、『軽井沢ブルワリー』はとてもモダンで、発酵熟成タンクや仕込槽がシャープな光沢を放ち、メタルの美を奏でているかのよう。美しく上品な空間で醸造されるからこそ、美しく洗練された味わいのビールが生まれるのだろう。

 案内スタッフによると、一見無機的に見える最新鋭設備には国内外でビール造りの経験を積んできた7人のブルワーの情熱が込められ、より高い品質のビールを安定供給できるように、繊細に管理されているとのこと。こだわり抜いた大麦・小麦・ホップの原材料、麦芽のロースト、発酵スタイルを自由な発想で組み合わせ、期間限定品も含めると11種類ものビールを醸造しているという。 
 小回りが効く小規模ブルワリーの真価をフルに発揮し、愛飲家の多彩な嗜好に応えている。

 そしてビール工場見学のハイライト、造り立てのビールの試飲は千住博画伯の名画が掲げられたビアホールで楽しめる。ビールサーバーは、本物のサクソホンを使用したイタリア製のもので、ミュージアム的なビール工場の締めを華麗に飾るかのように、フレッシュでクリアなビールをグラスに注いでくれる。
 試飲は1杯まで見学料に含まれており、2杯目からは有料。今回の見学時は、口当たりの優しいクリア、濃色で芳香なダーク、小麦麦芽のフツーティな白ビール(ヴァイス)の3種類を味わってみた。

 浅間山の雪解け水を源とする清冽な地下水、厳選された原材料、美しく衛生的な最新鋭の工場…。『軽井沢ブルワリー』の広告に、“プレミアムなビールはプレミアムな工場から生まれます”というタイトルが書かれていたが、試飲したビールは、まさに“プレミアム”。
 プレミアムな軽井沢のひとときは、プレミアムなビールで深く濃く味わいたい。

お問い合せ先

軽井沢ブルワリー株式会社

本社・工場 〒385-0021 長野県佐久市長土呂64-3
電話.0120-919-144 FAX.0120-919-744